2024年– date –
-
アニメ批評
生誕の喜劇──アニメ『けいおん!』と日常系の臨界点|志津史比古
村上春樹は、『国境の南、太陽の西』の中で、ひとりっ子の主人公に「自分にもし兄弟がいたら」という空想を思い描かせている。いや、正確に言うならば、そうした仮想が繰り広げられそうになる瞬間に、それを制止させている。主人公は、母親から尋ねられたときに、次のような返答をしたという。 -
映画批評
『君たちはどう生きるか』という悪夢──治者としての宮崎駿|noirse
平成という時代が幕を閉じて数年が経過した。けれども今でも何かが終わったとか、何かが変わったという実感はない。「平成は失敗の30年」で、「けっきょく『昭和』を清算しきれなかったネガティヴな時代」という思いがあるからだろうか。 -
ゲーム批評
加速する “JRPG” の到達点──『ファイナルファンタジー16』がそれでもムービーにこだわる理由|すみ
2023年6月に『ファイナルファンタジー16』が発売された。多くの期待と不安が寄せられた本作であるが、その評価をめぐっては大きく意見が分かれている。大手ゲームメディアサイトの平均点を算出するメタスコアでは、100点満点中87点と比較的高い点数を獲得している。 -
映画批評
“首なし” たちのユートピアのために──ゴジラ・首・すみっコぐらし|杉田俊介
劇場映画第3弾となる『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』の映画の真のラスト、Perfumeの「すみっコディスコ」が流れるエンドロールが終わったその後に、映画のスクリーンそのものが「工場=映画館」の復活した「顔」になる、いや、「首」になるということ……
1