記事一覧
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アニメ批評
桜の森の眼差しの下──アニメ『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』後期オープニング論|あにもに
2020年に放送が開始されたテレビアニメ『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』には、テレビアニメの本編にも原作のスマートフォン用ゲームにも描かれなかったもうひとつの “顔” が存在する。それはテレビアニメにとって不可欠な「オープニング」の映像である。 -
文芸批評
《エンキリディオン Enchiridion》——山上徹也容疑者の未発表論文「哄笑」を読む|壱村健太
哲学者の仲正昌樹は、かつてキリスト教系の新興宗教団体「統一教会(現・世界平和統一家庭連合)」の信者であり、その当時の宗教体験を語った自伝的著作(『統一教会と私』、論創社、2020年)のなかで、次のように述べている。 -
映画批評
n(えぬ)週遅れの映画評〈8〉『貞子DX』──目覚めたのは、「ダルい」呪い。|すぱんくtheはにー
デジタル・トランスフォーメーションッ! 貞子! ディィッ!! エェェエックスッッ!!!……つってね。ごめん、なんかやってみたかっただけ。いやでもね、『貞子DX』はそのぐらいテンションブチ上がりしちゃう傑作でした。 -
映画批評
ここでもあるどこかへ──『ほしのこえ』と故郷喪失者の詩学|てらまっと
あれから10年以上の月日が流れた。仮設住宅で暮らしていた被災者の大半は復興公営住宅に移り、メルトダウンした福島第一原子力発電所の廃炉作業も地道に進められている。唯一、全住民の避難が続いていた福島県双葉町では2022年8月に避難指示が一部解除され、ようやく居住が可能になった。震災直後には50万人近くにのぼった避難者の数も、いまでは3万人余りにまで減少しているらしい。 -
映画批評
n(えぬ)週遅れの映画評〈7〉『映画 デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!』──無責任に、手を伸ばせ。|すぱんくtheはにー
キッズ向けのアニメや特撮には「3年入れ替え」説というのがあってですね、子供たちはだいたい3年でそれまで見ていたシリーズから卒業していく、みたいな見方があるんですよね。「仮面ライダー」シリーズなら『ゼロワン』(2019)から入った子供は『セイバー』(2020)を挟んで『リバイス』(2021)で卒業、みたいな。 -
映画批評
【対談】細田守が描く「継承」と「共助」──『オマツリ男爵』から『竜とそばかすの姫』まで|noirse × 志津史比古
細田守は、今敏や新海誠と同様、「映画」という形式で作品を発表することを選んだアニメ監督と言えます。ここでは、『オマツリ男爵』から最新作の『竜とそばかすの姫』(2021)まで、細田監督の長編アニメ映画をまとめて検討してみたいと思います。 -
漫画批評
「おはなし」というユートピア──東直樹から読む『タコピーの原罪』|きゃくの
2022年上半期最大の話題作のひとつ、タイザン5の『タコピーの原罪』の最終話は、ここまでこの作品の行く末を追いかけていた読者を大いに驚かせるものでした。全編にわたって愛憎渦巻く人間関係を丹念に描き続け、ひとが誰かを好きになり、あるいは嫌悪するに至るには何が求められるか、その過程をリアリスティックに示そうとしたこの作品が、連載中からSNSを中心に大きな反響を巻き起こしてきたことはいまだ記憶に新しいでしょう。 -
ゲーム批評
『ダークソウル』はなぜ不親切なのか?──パターナリズムにあらがう「私の物語」|すみ
2009年に発売された『デモンズソウル』は、フロム・ソフトウェアが開発したPlayStation 3専用(当時)のRPGである。このゲームに端を発する「ソウルシリーズ」は、のちに「ソウルライク」と呼ばれるひとつのゲームジャンルを生み出すことになった。ソウルライクとは、ソウルシリーズを特徴づける高難度アクションRPGを指すジャンルのことで、プレイヤーは高いゲーム難度のせいで何度も「死」を重ねながら、次のチェックポイントを目指して少しずつ進んでいくことになる。 -
映画批評
n(えぬ)週遅れの映画評〈6〉『今夜、世界からこの恋が消えても』──歴史の修正を、ためらわない。|すぱんくtheはにー
やっぱねぇ、こういう作品を見ると思うんですよ。原作があるとかないとか、ラブストーリーだとか、実写だとか邦画だとか、そういった分類ってあんま意味ねぇなって……。何が言いたいかっていうと『今夜、世界からこの恋が消えても』、めちゃくちゃ良かったんですよ! -
生活批評
【座談会】若手パチンカーに聞く! アニメパチンコ座談会──物語を確率へとひらくメディアミックス|早稲田大学負けヒロイン研究会
少し前からアニメの制作費においても、パチンコに関連したものが相当の割合を占めているらしいという話をよく耳にしていました。とはいえ、私が仲良くしてもらっている「低志会」には、パチンコを嗜む人はほとんどいません。そこで、パチンコとアニメの世界がどのようにつながっているのか、アニメパチンコに詳しい若い方々に教えてもらおう、というところからこの座談会の企画がスタートしました。 -
映画批評
脚本家・會川昇とフィクションの戦後〈2〉故郷喪失者のフィクション──『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』|ねりま
會川昇を「戦後」の脚本家として読む。その試みの端緒として、本連載の第1回目では『機動戦艦ナデシコ』(1996−97)を取り上げ、戦争という出来事のなかで、フィクションを読むこと、語ることにおいて生じる緊張関係を論じた。政治的動員とフィクションとが絡み合う「戦争」の局面をくぐり抜け、第2回目でいよいよ我々は「戦後」の時空へと導かれる。 -
アニメ批評
交換可能性、あるいは不可能性と桃果の倫理──幾原邦彦『少女革命ウテナ』から『輪るピングドラム』へ|籠原スナヲ
『少女革命ウテナ』と『輪るピングドラム』には、大きな違いがある。端的に言えば、『ウテナ』では周縁に追いやられてしまった問題が、『ピングドラム』では物語の中心に置かれているのだ。その問題とは、人間が「かけがえのない」(=交換不可能な)存在であると同時に「かわりがきく」(=交換可能な)存在であることをめぐる問題である。