映画批評– category –
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n(えぬ)週遅れの映画評〈4〉『はい、泳げません』──再起するための、祝福を。
主人公は大学で哲学の教鞭を執っている先生で、たぶん一瞬だけ出てくる授業風景だとフランス思想系の実存主義~構造主義みたいなのをやってんだけど、まぁこれは完全に、あんまり詳しくない人が「哲学」と聞いて思い浮かべるイメージ映像というか、「なんとなく哲学っぽ~い」感じのやつ(ただ哲学者の國分功一郎がちゃんと監修に入ってたりはする)。で、この主人公は幼い頃のトラウマのせいで、ハンパじゃなく「水が怖い」。 -
n(えぬ)週遅れの映画評〈3〉『犬王』──どんな呪いにも、続きがある。
もともと湯浅政明監督の作品が好きなんです、特に『ピンポン』と『DEVILMAN crybaby』が。どっちも激しいアクションシーンで身体が歪むじゃない、『ピンポン』だったら対ドラゴン戦でスマッシュした瞬間に「ぐぅん」って腕が不自然なほど伸びる -
傷物達を抱きしめて──映画『傷物語』とアニメーションの政治性
2016年に全3部作として劇場公開された映画『傷物語』は、アニメーションについてのアニメーションである。あるいはより厳密に言うならば、『傷物語』は、アニメーションが含有するある種の政治性を浮かび上がらせる契機を内部に有している、自己言及的なアニメーションである。 -
n(えぬ)週遅れの映画評〈2〉『シン・ウルトラマン』──ふたつの心が、共にある。
もうね、エンディングに到達したときにはぽろっぽろ泣いてて、水分を吸ったマスクが張り付いて酸欠起こしそうになりながら思ったんですよね、「これ、あんまりだな……」って。 -
n(えぬ)週遅れの映画評〈1〉『バブル』──跳ぶために、壊すべきもの。
作品の中心となるアクションシーンが「パルクール」(街の中の壁や手すりなどを跳び越えたり乗り移ったりして移動するスポーツ)なんですけど、これがねぇ、いまいちパッとしないんですよ。
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